Netflix映画『ナイアド』の感想・レビュー

映画『ナイアド』のデータ

『ナイアド~その決意は海を越える~』

2023年 アメリカ映画(Netflixオリジナル映画) 原題:Nyad

上映時間 121分

監督   :エリザベス・チャイ・ヴァサルヘリィ ジミー・チン

脚本   :ジュリア・コックス

登場人物・キャスト

ダイアナ・ナイアド :アネット・ベニング

かつての長距離水泳選手。

60歳を過ぎてから、28歳のときに達成できなかったフロリダ海峡横断に挑む。

ボニー・ストール :ジョディ・フォスター

ナイアドの親友。

ナイアドのフロリダ海峡横断のコーチを務める。

ジョン・バートレット :リス・エヴァンス

航海士。

第96回アカデミー賞に2部門ノミネート

  • 主演女優賞 アネット・ベニング
  • 助演女優賞 ジョディ・フォスター

の2部門にノミネート。

授賞式は日本時間で2024年3月11日です。

あらすじ

かつての長距離水泳選手、ダイアナ・ナイアドは、若いころに成し遂げることができなかった、フロリダ海峡横断の夢を忘れることができなかった。

61歳になった今、ナイアドは親友であり、コーチのボニーと共に、再びフロリダ海峡横断に挑戦する。

感想

約180km泳ぎ続けるというクレイジーな挑戦

時間にして約60時間、温水プールではなく、冷たい海をひたすら泳ぎ続ける、という常人から見るとあまりにもクレイジーな挑戦。

しかも挑戦するのは60代の女性です。

3時間おきに高カロリーの食事を摂りながら泳ぎ、排泄も海の中で行う、すさまじい世界です。

演出は王道的

この映画の演出は奇をてらったところは一切なく、典型的なアメリカ映画の演出といった感じで、わかりやすく、王道的です。

挑戦、友情、確執、決別からの和解、そして成功へ。

これでもかというほど王道展開の、スポーツ感動映画といった演出です。

展開の早さが素晴らしい

本題である挑戦に入るまで、延々と前置きの人間ドラマをやっているような映画もありますが、この映画は始まってから約15分で早くも挑戦パートに入ります。

この展開の早さ、とても素晴らしいです。

2人のおばあちゃんの物語

この映画は、ナイアドとボニー、二人のおばあちゃんの物語です。

二人はもう、夫婦のような、人生のパートナーと言っても過言ではない。

それは二人を演じるアネット・ベニングジョディ・フォスター、二人のおばあちゃんの物語でもあります。

ほぼノーメイクで、60代の肉体をさらしての熱演です。

おばあちゃんになったジョディ・フォスター

子供の頃から、テレビや映画で我々の前にその姿を現し、そして歳を重ねる姿を見せ続けてくれた大女優ジョディ・フォスター。

この映画ではついに60歳になり、しわが増え、声はしわがれたおばあちゃん声になってしまいましたが、年齢にしては体は引き締まり、そして活き活きとした表情で主人公ナイアドの相棒、ボニーを演じています。

美少女から美女、そして素敵なおばあちゃんへ。

彼女の歴史は、アメリカ映画の歴史でもあります。

水温、潮、クラゲ、サメ、ナイアドの前に立ちはだかる数々の困難

ナイアドの成功を妨げようと、彼女の前に立ちはだかる数々の困難。

フロリダ海峡横断の成功には、天候、潮の流れなど、運の要素も強くあるということが、この映画を観ればわかります。

特にクラゲには悩まされるナイアド。

クラゲ対策で、奇妙なマスクを被って泳いだりもします。

ナイアドの前に立ちはだかる数々の困難に阻まれ、何度も失敗し、くじけそうになりながらも、一つ一つ対策し、成功ににじり寄っていくチーム・ナイアド。

続けさせるか、やめさせるか、ボニーに突きつけられる決断

この挑戦は常に命がけの挑戦。

命を落としかけても、「諦めたくない。続けたい」と言い続けるナイアド。

このまま続けても現実的に考えて目標達成不可能だと判断した場合、ナイアドにストップをかけられるのはコーチのボニーだけです。

ナイアドにストップをかけるときのボニーのは、ボクシングの試合でタオルを投入するときのコーチと同じ心境でしょう。

コーチからの性的虐待の描写も

ナイアドは何度も何度もフロリダ海峡横断に挑戦する中で、何度も自分の過去を回想しますが、その中で印象的なのが、14歳のときにコーチから受けた性的虐待の描写です。

そのときのトラウマ、そしてなぜ戦わなかったのかという後悔が、60代になった今も、ナイアドの心の影を落としていることが描写されます。

そしてそのコーチは性的虐待で訴えられたにも関わらず、水泳殿堂入りへ。

日本でも似たようなことがありましたよね~。

一人では絶対に達成できなかった偉業

ナイアドがどんなにすごい人間だとしても、この偉業は一人では絶対に達成できないものです。

親友でありコーチのボニーはもちろん、潮の流れを予測し、最適なコースを選択する航海士や、シーカヤックで並走するサポートメンバーなど、多くの人のサポートがあってこそ、達成された偉業です。

ダイアナ・ナイアドではなく、チーム・ナイアドの勝利です。

夢を追うのに年齢なんて関係ない

ついにゴールしたあとの主人公ナイアドの言葉です。

ナイアドが陸地にたどり着くラストシーン。

これでもかというほどベタな展開ながら、素直に感動できます。

夢を追うのに年齢なんて関係ない

実際に成し遂げたからこそ言う資格のある、すばらしい言葉だと思います。

まとめ(これでもかというほどの王道スポーツ感動映画)

いや~、素晴らしかったですね~。

これまでNetflixオリジナル映画は何本も観てきましたが、正直微妙なものが多い印象でしたが、この『ナイアド~その決意は海を越える~』は本当に素晴らしい映画でした。

本当に奇をてらったところがまったくない、どストレートな演出なのですが、それでも2時間しっかり面白く、そしてラストは感動させてくれるのですから、あらためて、王道演出の素晴らしさ、良さを感じることができました。

まだ観ていない方は、ぜひNetflixで!!

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